<第8週レビュー>【週間成績】
-1位:田老:☆★★★☆☆-☆☆★-★★☆ 6-6
-2位:津石:★☆☆-★★-☆☆★-☆☆★ 6-5
-3位:岩手:☆★-☆☆☆-★★--☆☆★ 6-4
-4位:宮古:★☆-☆★★-★★☆-★★★ 3-8
△5位:文京:☆★☆★★★-★★☆-★★☆ 4-8
-6位:福島:★☆★-☆☆-☆☆--☆☆☆ 8-2
(△▼は順位の前週比)
<前半戦レビュー>【1位:田老】(61勝25敗)
<野手>
ここまで総得点373点はリーグ2位。
その数字以上に効果的な得点が目立ち、申し分のない前半戦だった。
中軸をがっちりと固定でき、安定した攻撃を展開できた。
4番の近藤はスランプらしいスランプもなく3割20本塁打。
盗塁もチームトップタイと申し分のない成績をマーク。
前後のデュラン、栗原も手堅くまとめ、コントレラスも中盤以降上昇傾向。
この4選手はいずれも50打点以上をマークした。
残念だったのは開幕4番の森下と、飛躍を期待された郡司の低迷。
それでも、チームは佐野恵太を獲得するなどのケアで大きな穴にはならず。
また、当初レギュラーを張ったカリステも途中解雇されたが、ベテラン西野でカバーした。
<投手>
投手陣は素晴らしい前半戦を送ることができた。
総失点264点はリーグで最小。想像以上の結果を残した。
特に先発陣の出来は素晴らしく、リーグの防御率6位以内に3人が入っている。
出色だったのはエースの菅野。
17試合で13勝を挙げ、ハーラーダービーを独走。
森下、武内もすでに100イニングをクリアしており、貢献度は非常に高い。
開幕ローテ入りしていた大瀬良は不調で放出されたが、北山が躍進して途中からローテ入り。
5番手の村上もしっかり3つ勝ち越した。
抑えの切り札栗林は早くも30セーブが目前。
セットアッパー松山も41試合で防御率1点台と栗林に負けない貢献を見せた。
<後半戦の展望>
記録的ハイペースで白星を積み重ね、早くもマジックは37。
2位津軽石に13.5差をつけており、よほどのことがない限りその座は揺るぎそうにない。
チーム記録の78勝は確実として、リーグ記録の92勝をも上回るペース。
ここ2週ややペースダウンしているが、新記録の樹立に期待がかかる後半戦になりそうだ。
---
【2位:津軽石】(47勝38敗)
<野手>
中盤に爆発的な得点力を発揮したこともあって、リーグ最多の397得点。
攻撃面でいえば満足のいく前半戦だった。
上位打線の安定感は特筆ものだったが、中でも大きかったのは小幡の健闘だ。
友杉から遊撃の定位置を奪うと、安打を量産。
目下首位打者争いのトップを走っている。
この小幡と1、2番を組む野間は現在盗塁部門トップとこちらも好調だ。
メリル、チゾムの大リーグ勢もほぼ計算通り。
清宮は安定した打撃でリーグ4位の62打点を叩き出した。
岡本は一時故障離脱をしたのが惜しまれるが、それでも12本塁打。
ここに来て調子を上げてきており、後半戦に期待だ。
<投手>
投手陣も悪くなく、ここまでの総失点は2番目の少なさ。
しかし、下馬評が非常に高かっただけに、やや物足りなさも感じた。
エースの宮城はここまで防御率リーグトップとさすがの安定感。
完投もリーグトップと、大黒柱として君臨。
モイネロ、高橋宏斗は打線とかみ合えばもう少し勝てていたはずだ。
一方、戸郷は実力を発揮したとは言い切れず、前半戦黒星先行。
5番手の有原は6勝も、インパクトではノーヒッター達成の大竹が上回った。
セットアッパーの桐敷が防御率5点台など、ブルペン陣はやや不安定。
この辺がしっかりしてくれれば、もう少し白星は上積みできたはずだ。
<後半戦の展望>
得失点差で言えば田老の111に対し、津軽石は101。
13.5もゲーム差をつけられる内容ではなく、潜在能力はやはり高い。
4位以降にも大差をつけており、Aクラス入りは確実な状況。
何とか田老に一泡吹かせたいところだ。
---
【3位:岩手】(40勝44敗)
<野手>
ここまでの326得点はリーグ平均レベルだが、
もう少し伸ばすこともできたのではないかという感は否めない。
最大の誤算は打の大黒柱と目された牧の不振だ。
一時は小園にポジションを奪われ、前半戦は規定打席に届かず。
GMの強力な措置でスタメンに戻ってからはやや持ち直したが、前半は不完全燃焼だった。
この他、レギュラーに定着しきれない周東に辰己、
途中で放出された大山、秋山らも計算違いになってしまった。
一方で、長距離砲オースティンは現在本塁打、打点の2冠の満額回答。
エドワーズはやや息切れが見えるものの打率2位、近本もまずまずとこの辺は及第点。
主軸は明暗を分けた形だ。
<投手>
総失点は4位も、上位とは大きく差を開けられており、期待通りとはいえない。
中でも痛かったのが佐々木朗希のもたつきだ。
タイトルも期待されたが、中盤に入り内容が悪化しまさかの黒星先行。
奪三振でもリーグ3位に甘んじており、復調が待たれるところだ。
むしろ貢献度が高かったのは伊藤大海で、完投0は意外もチームトップの8勝。
勝負手として途中加入したスキーンズも、徐々に調子を上げてきてる。
抑えのゲラは一時集中打を浴びる試合が多かったが、リーグ2位の23Sとまずまず。
ペルドモも7勝を拾っており、救援陣は防御率の数字ほど悪い印象ではなかった。
<後半戦の展望>
投打の柱が期待からほど遠く、もやもや感の残る前半戦となった。
2位津軽石との差も6.5となっており、Aクラスと5割が現実的な目標となるだろう。
打線はオースティン、近本が支えているが、ここが落ちる前に牧やエドワーズが復調できるか、
投手陣ではやはり佐々木朗希の復活、そして、今井、隅田の西武勢で貯金を稼げるかがカギだ。
---
【4位:宮古】(36勝49敗)
<野手>
一発はよく出るが、得点には十分に結びつかず。
そして白星も伸び悩みで借金13の前半戦になってしまった。
タイトルを期待された両巨砲、山川とローリーは揃ってここまで20発。
しかし、打率はともに2割2分台と安定感は欠き、評価は分かれるところ。
1番を期待されたトゥラングも出塁率が上がらず小深田にその座を譲り、
松本剛、岡林もレギュラー定着はならず。
長岡の健闘、宮崎の安定感は光ったものの、得点力は伸びなかった。
杉本、正木はともに2ケタ本塁打に到達も、こちらももう少し安定感が欲しかったところだ。
<投手>
投手陣も苦戦しており、ここまで375失点はリーグワーストとなっている。
救援から先発に転向しエース起用されたマチャドは、
防御率リーグ8位と内容は良いのだが援護に恵まれず5つの負け越し。
躍進が期待された才木、早川、大津らの若手も低調。
逆に援護に恵まれた床田は7勝をマークも、
前発ローテ5人の合計で19勝36敗と大きく負け越してしまった。
抑えのマルチネスは防御率2.00での15Sとまずまず。
6勝の鈴木昭汰は健闘も、セットアッパーのハーンは今一つだった。
<後半戦の展望>
シーズン中盤に入って苦境が鮮明となっており、5割ラインは遠ざかった。
チームは采配傾向の変更など手を打っているが、その効果が果たして出るかどうか。
長打がよく出る打線だけに、1、2番打者の出塁率向上が見られればというところか。
投手陣の大幅な改善よりは、打線による打開に期待したい。
---
【4位:文京町】(36勝49敗)
<野手>
得点数308はリーグ4位と伸び悩んだ。
もともと投手陣は期待薄だっただけに、打の伸び悩みが低迷の要因となった。
期待された大砲トリオはエンジンのかかりが遅く、守備面でも貢献できず。
源田、桑原、岡、荻野らの中堅どころも可もなく不可もなし。
シリ、田宮らは健闘したものの、そこまでのインパクトは与えられなかった。
チームは上位進出を諦めたか、前半戦終了間際に大幅改造を断行。
マーテイ、シリらに加え、中堅・ベテラン勢を大量に放出し、
佐藤輝明、度会らの若手を獲得し、来季以降を見据えた編成に切り替えた。
<投手>
ある程度予想されたことだが、投手陣にとってはやや苦しい前半戦になってしまった。
しかし、心配された崩壊状態まではいたらず、失点数はリーグ5位にとどまった。
先発陣の中では、エースの東が健闘。
7勝7敗で星は五分だったが、防御率はリーグ5位にまとめた。
若手の曽谷も2つの勝ち越し。山下も才能の片鱗を見せた。
星が伸びなかったのはベテラン勢の岸と山崎福也。
岸は通算勝利数単独トップに立ったが、全体では5つの負け越し。
山崎福也は前半最後に故障離脱。このまま放出となる見通しだ。
抑えのヘルナンデスは非常に安定していたが、セーブチャンスが少なく15S。
セットアッパーに抜擢の横山、中継ぎの田中正義、吉村は安定感を見せた。
<後半戦の展望>
中盤の失速を受けて、今季はギブアップ。再建モードに切り替わった。
後半戦もAクラスに近づくよりは5位争いに終始する可能性が高い。
それでも、バーショ、モレノと好守の大リーガーを獲得しており、
守備重視の戦いがはまれば、借金を少しでも減らすことができるかもしれない。
---
【6位:福島】(35勝50敗)
<野手>
優勝9回を誇る名門も、近年に類を見ない厳しい前半戦となった。
最も大きな原因は打線の不振。6チーム中唯一300得点に届かなかった。
前半戦の打線はほぼソトの一枚看板だったといってよい。
主砲として期待されたチャップマンが長らくスタメン落ちし、
万波、細川ら期待の若手も不発。ソトの活躍がなければと思うとゾッとする。
大きなストロングポイントになるかと思われた守備力も、
チャップマンに加えて、吉川尚輝、ドイルが打撃不振で先発の座を守れず。
太田諒、小郷の健闘は光ったが、劣勢を覆すには至らなかった。
<投手>
投手陣はよく頑張った方だろう。失点数は2位の津軽石に3点差の3位。
打線の援護があればもっと勝てていたはずだ。
先発陣はエースの青柳を除いて全員2点台~3点台。
エスピノーザ、ジャクソンは防御率ベスト10入りと非常に安定感があった。
ジャクソンはリーグワーストの17被弾も、5位の116.1イニングを投げた。
開幕直後救援失敗を繰り返した大勢は、シーズンを追うごとに調子を上げ17S。
セットアッパー鈴木翔天も37試合とフル回転。内容も伴い、充実の前半戦となった。
<後半戦の展望>
一時加速度的に借金が増えたが、ここに来てだいぶ状態も上がってきた。
前半戦も7連勝で締めており、文京町、宮古を完全に射程圏に捕えている。
5割までは難しいかもしれないが、3位ラインが下がってくれば十分可能性はある。
攻撃力の改善ができれば期待大。万波、細川ら前半仕事ができなかった若き主砲の奮起が望まれる。